医学部ではなく、救命救急士という道を選ぶということ
救命救急士は「医師の下」ではない
救命救急士は、医師の指示を待つだけの存在ではありません。救急車の中という限られた時間と環境で、瞬時に判断し、行動し、命をつなぐ。その判断ひとつで、後遺症が残るかどうか、助かるかどうかが変わることもあります。そこにあるのは「上下関係」ではなく、役割の違いです。
現場で感じた、救命救急士という存在の重み
私自身、救急搬送された経験があります。そのとき、傷を見て、状況を説明し、「縫わない選択肢もある」と冷静に助言してくれたのは、救命救急士の方でした。もしあの一言がなければ、私は十分に納得しないまま治療を受け、後悔していたかもしれません。命だけでなく、その後の人生まで考えてくれた判断でした。その姿を見て、「この人たちは医療の本質を担っている」と強く思いました。
医学部に行かなくても、命を救う道はある
「医療=医師」という考え方は、あまりにも単純です。救命救急士は、医師とは違う専門性を持ち、医師にはできない判断を現場で行い、人の命と最初に向き合う職業です。医学部に進まなくても、救命救急士として誇りを持って生きる道は、確かに存在します。
救命救急士になるには──群馬県の場合
国が指定する養成施設で専門教育を受け、国家試験に合格する必要があります。
- ① 高校卒業後、救命救急士の養成施設へ進学する。群馬県内では、太田医療技術専門学校の救急救命学科(3年制)や、上武大学の救急救命士コースなどがあります。もちろん県外の専門学校・大学も選べます
- ② 養成課程で、医学・救急医療の基礎知識、搬送処置の実技、救急車同乗実習などを体系的に学ぶ
- ③ 卒業後、救急救命士国家試験に合格する(全国共通の国家資格です)
- ④ 消防署や病院、救急医療の現場で働く
どんな人が向いているか
- 緊急時でも冷静に判断できる
- 患者さんやご家族に寄り添える
- 仲間とチームで働ける
- 人を見下さず、立場で判断しない
「肩書き」ではなく「人として、どんな医療者でありたいか」を大切にできる人こそ、この仕事に向いています。そういう人を、私は全力で支えたいと思っています。
最後に
医師になることだけが正解ではありません。救命救急士になることも、看護師になることも、どれも尊い選択です。大切なのは、なぜその道を選ぶのか。命を守りたい、人に寄り添いたい、現場で役に立ちたい。その想いがあるなら、救命救急士という道は決して「次善」ではなく、最前線の選択です。
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